ATOK2005で「変換取り消し後のカーソル位置を保持する」
●変換取り消し後のカーソル位置を保持する
「プロパティ」→「入力・変換」タブ→「入力補助」→「特殊」で「変換取り消し後のカーソル位置を保持する」にチェックを入れる。
これだといくつかの文節を含む変換をしたときに、「文節移動」→「変換取消」という操作をしても、カーソルが文節近くに留まってくれる。少なくとも『MS-IME』からの移行した人ならこの設定の方が扱いやすいと思います。
でも、この設定があってもなお「文節戻し」(注目文節のみを未変換状態に戻す)と「全戻し」(未確定の文節はすべて未変換状態に戻す。『ATOK』では「変換取消」)は分けて欲しいなあと思います。
まず前提として、私は「最近のIMEは前後の繋がりを考えて変換するので、ある程度長く入力して一気に変換した方が変換精度が良い」という説を信じています。
そうすると一回の変換に複数の文節が含まれている場合が多くなりますが、そうなると「全戻し」しかないと困った事態がいくつかあるのです。
1.長く入力して変換して、その入力の最初の方にタイプミスがあった場合。
タイプミスした箇所にカーソルを持って行くには、[BackSpace](「全戻し」)を押した後、何回も[←](カーソル移動)を押さないといけない([Ctrl]+[←]とか使えば少しましですが)。
それなら、先に「文節移動」して、修正したい箇所にきてから「文節戻し」でその文節だけ未変換状態にできれば、キーを押す回数はずいぶん少なくて済むでしょう。
しかしこの問題は、今紹介した設定をすれば完全に解消されます。
2.複数の文節のうち、一部の文節にタイプミスがあったが、他は正しく変換されている場合。
「全戻し」しか無いと正しく変換されている部分もいったん未変換状態に戻されてしまいます。タイプミスを修正した後再度変換するわけですが、「前後の繋がりを考えて変換する」のなら一部でも文字が修正されたら再び同じ変換をしてくれる保証はないのです。正しく変換されているどうかもう一度チェックしないといけない。それならタイプミスした部分だけ未変換状態に戻せた方がいいじゃないか、と思うのです。
とは言え、文節が正しい場合は一部のタイプミスを修正したくらいで変換結果が変わったという記憶はほとんどありません。だから、結局……
3.正しく変換されたものを未変換状態に戻すというのが心理的に抵抗がある。
この要因がかなり大きいのだと思います。
機能としては自然だと思うし、『MS-IME』だと初期設定で[BackSpace]が「文節戻し」になっているので使っている人は多いと思うのだけど。ぜひとも『ATOK』でも「文節戻し」ができるようにして欲しいです。
※追記
『ATOK』の「変換取消」は、すべての文節を未変換状態に戻すのではなくて(それは「全変換取消」)、カーソルのある文節以降を未変換状態に戻すようだ。それができるんだったら「文節戻し」ができてもいいのに、と思う。