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増田式の本を読んでみた
 増田式で有名な増田忠士さんの本をいくつか読んでみました。増田式は今まであまり興味がなかったのだけど、読んでみたらいいことが書いてあったので読んで良かったです。と言うか、いろいろな配列をやってみる前に読めば良かった。
 以下、各書を読んで思ったことをずらずらと。



『1時間でマスター キーボードマル得入門』
増田 忠士
1997年7月20日発行
日経BP社
A5版174p
※タイトルの「マル得」は○の中に得。

 内容は増田式のテンキー、アルファベット、ローマ字入力の練習(JISかな入力の練習はなし)。

 第1章の最初に数ページの漫画が挿入されていて、第2章でもそうだったので、てっきりこの本はこのパターンを踏襲するのかと思ったら、漫画は第2章で最後だった。究極の尻切れトンボ漫画だ……。タイピングゲームでタッチタイプを覚えようとしていたサラリーマンはその後どうなったんだ~。

 増田式の練習方法はWeb上で読んで少し知っていたけれど、本当に単純ですね。こんな単調な方法で良いのかと思うくらい。
 この本にしたがってテンキー、アルファベット、ローマ字入力の練習してみたけれど、効果はよく分からない。すでにタッチタイプのスタイルが固まっているのでちょっと練習したくらいじゃ効果は出ないのかな?
 まえがきに「一本指や我流でタイピングをしているパソコン中・上級者の方も、この本の練習方法を試して下さい。ものの3時間で入力スピードが倍増します。ミス・タイプが激減します。つまり、キーボードの操作感がまるで変わります。目からウロコが落ちるでしょう」(3p)と書かれているけれど、私は一本指ではないけれど特にタイピングを教えてもらったことはないから我流に入るんだろうか?

 増田式のローマ字入力の練習では、ローマ字の綴りは使わず、五十音表の行と段の組み合わせで入力するという方法をとっている(137p)。
 この方法は、私もいいと思う。昔は「そんなことできるのか?」と思っていたけれど、けいならべをやってみて考えが変わりました。けいならべは行段系配列だから、子音と母音をそれぞれアルファベットで表記することも可能なわけだけど、けいならべをマスターした段階でも、けいならべのキー配置でアルファベットを入力することなどまったくできなかった。ということは、行段系配列はアルファベットの配列とは無関係に習得できるということで、それはローマ字入力でも同じだろう。
 ただ、こうやってアルファベットと切り離してしまうと、ローマ字入力のキー配置のバラバラさが際立ってしまって、覚えること自体は難しくなるような気がする。ローマ字を理解できているかどうかにもよるけど。

 「タッチ・タイピングの練習初期でも、一度練習で画面に出した文字列を捨てない。適当なファイル名を付けて保存しておく。次回からは、この本で今までにやった練習内容を画面に表示して、一行ずつ練習しよう。手本となる行の下に文字を入力する。」(71p)
 と書いてある。なるほど、そうやるのか。というわけで、それにしたがって、練習はテキストエディタで行い、打った文字列をテキストファイルに保存しながらやることにする。
 しかし、同じページの後ろの方にこんな記述が……。
「ミスタイプしても、知らんぷりをする。訂正するのも止めた方が良い」
 えっ? ミスタイプをそのままにすると、次回練習するときに手本にならないのでは……? どうすればいいんでしょう?

 私が興味深かったのが、コラムにある次のような記述。
「いずれにしろ、どんな入力方式にも対応できる練習原理を発明した私は、次の入力方式の戦国時代が来ることを待ち望んでいる。」(95p)
 この本が出版されたのが1997年。その後、数々の入力方式がインターネット上で発表されているわけだけど、この現状を増田さんはどう思っているんでしょう?



『2時間でマスター 快適パソコン・キーボード』
増田 忠士
1999年7月23日発行
日本経済新聞社
B6版205p

 上記の本と同工異曲の内容だが、こちらの方が増田式の練習原理は詳しく書いてある。JISかな入力の練習方法も書いてある。

「ゲーム練習型CD-ROMはプラインド・タッチをマスターした後で入力速度を増す訓練にはよいと思います」(26p)
 これは意外。てっきりタイピングゲームは全否定なのかと思ってた。もちろん「増田式でタッチタイプを固めてから」というのが前提になっているのだけど、速度を上げることもタイピングの習得において重要な要素だと思うので、その点でタイピングゲームが使えるという認識をされていたというのはちょっと驚き。
 タイピングゲームは、まず面白いし、自分で文章を考えなくていいし(文章を考えていると、文章を打つ量、すなわち練習量が減る。次から次へ書きたい文章が浮かぶ方ならいいんですが……)、成績が記録されるので、タイピングの練習にはいいと思います。

 ノートパソコンにはキーボードを別に買ってきて接続することを勧めている(38p)。(『キーボードマル得入門』の方にも書いてあった)
 確かにノートパソコンに外付けキーボードをつなげれば使いやすくなるだろうけど、「デスクトップパソコンを使う」のと「ノートパソコンに外付けキーボードをつなげて使う」を比較して、後者を選択するメリットってあるの? ノートの良さがかなり減殺されてしまうような。

 テンキーの[0]は、慣れてきたら人差し指で押すとある(63p)。
 これ本当? 最初のうちの、5本の指が十分に使えない状態の時は人差し指を使っても良いけれど、慣れてきたら親指を使う、というのならまだ分かるけれど。慣れてきたら人差し指を使うんですか? 私にはとても信じられないです。

 ローマ字入力、かな入力の練習方法が書いてあるそれぞれの章の冒頭に「ローマ字入力を選んだ方は幸せです」(85p)「かな入力を選んだ方は幸せです」(135p)と書いてあって、簡単に理由が添えられている。
 そしてその冒頭の文章の後半で、実際にやってみて合わない、大変だと感じたら入力方式を変えた方が無難です、と書かれている。
 この姿勢はものすごく重要なことだと思う。私もこの姿勢は見習いたい。
 重要な点は二点。一点は、ある入力方式を選んだら、その人は幸せだと言うこと。もう一点は、実際にやってみて合わないと思ったら変えてもいいということ。

 増田式ホームポジション(かにホーム)は、シフトキーの位置を親指担当のキーに変更するのが前提のようだ(136p)。かにホームは[Shift]が遠くなるのはどうかと思っていたので、これなら納得。
 しかし、「(シフトキーは)パソコンであればキー・カスタマイズして親指で楽に押せるように出来ます」とあるのに、その方法が書いてないのは問題ではない? 『猫まねき』とか『KeySwap for XP』を使うってことですよね?



『片手でらくらく 誰でもできるパソコン入力』
増田 忠士
1999年3月25日発行
日本経済新聞社
A5版222p

 主に「チョイ入力」の紹介、設定方法、練習方法について書かれてた本。

「「誰でもパソコン、何処でもパソコン時代」の入力方式の開発の条件としては、「素人でも学習し易い」が第一にこなければならないのです。「文字の出現頻度と手指の運動能力を合致させる」という条件は緩めても良いのです。そして、現在普及しているローマ字入力もかな入力も、素人でも学習し易いかどうかという観点で見直すと、現実を見る限りは落第と言わざるを得ません。」(17p)

 これはものすごく同意。ローマ字入力にしろ、かな入力にしろ、初心者にとっては難しすぎる。
 しかし、チョイ入力が初心者向けかというと、『MS-IME』と『ATOK』では設定が大きく制限されるという時点で厳しいと言わざるをえないと思う。初心者にとっては「マイナーなソフトをインストールして設定を変える」なんてのは文字入力以上にハードルが高いだろうから。
 増田さんもそのことを考えて、「チョイかな入力」を作られたのだろうけど。

 いずれにせよ、キーボードに触れるのがまったく初めてという人でもローマ字入力とかな入力以外に選択肢がないというのは憂慮すべき事態。初心者向けにチョイ入力みたいな分かりやすさを最優先した配列あればいいのに、それが初期設定になってればいいのに、と思う。
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by koutarou_13 | 2006-09-18 00:54 | ●その他の日本語入力配列の話 | Trackback | Comments(0)
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リンク集の最終更新日:2015/12/13

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