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ローマ字入力でもなく、かな入力でもなく

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親指シフトの高揚と挫折

日本語入力変遷記2
2004年春:親指シフトの高揚と挫折
――「NICOLA」と『親指ひゅんQ』

 Google検索の結果、『日本語入力コンソーシアム』というサイトがあることが分かった。どうやら親指シフトは健在のようだ。正式名称を「NICOLA」と言うことも初めて知った。このサイトでNICOLAの優秀さはわかった。でも自分のパソコンのキーボードには当然親指キーは無いし、親指キーボードは高そうだしなあ……。
 そんな風に思いながら「親指ソフトウェアライブラリ」を見ると、一番上にこんなソフトが。
 『親指ひゅんQ
 106/109キーボードや101/104キーボードをあたかもNICOLAキーボード(親指シフト キーボード)のように使うことができます。』

 ……それって要するに普通のキーボードで親指シフトが使えるってことですか!? そんなことができるのか! そう言えば普通のキーボードの[スペース]と[変換]は親指シフトっぽい位置にあるな。しかも無料。こいつはすごいぞ。おまけに親指タイピング練習ソフトまである。至れり尽くせりじゃないか。
 修得にはある程度時間がかかるかも知れないが、一生使えるものなのだから時間をかける価値はあるだろう。

 一つ不安があった。「[スペース]と[変換]は親指シフトっぽい位置にある」と書いたが、やっぱり親指シフト用キーボードとは位置がちがう。親指シフト用キーボードの[左親指]と[右親指]の境目は[B]の下くらいだが、自分のキーボードの[スペース]と[変換]の境目は[N]の右寄りである。ホームポジションに指を置いた時点で、すでに右手親指を曲げないとキーの上に指がいかない。こんな事で入力できるのだろうか。でも、このようなエミュレーションソフトがあってみんな使っているのだから、大丈夫なのかもしれない。
 ま、やってみればいいんだ。

 さっそくダウンロードして使ってみた。当初あった疑問「[スペース]を左親指キーにするなら、スペースはどうやって入力するんだ?」は、かなキーと同時に押した場合は親指キー、単独で押した(正確には「離した」)場合はスペースとして認識されることが分かってあっさり解決。親指キーは必ず他のキーと同時押しになるから、この挙動で問題ない(*1)。
 嬉々としてタイプ練習ソフトで練習を始め、普段の入力でもできる限りNICOLAで打つようにした。

 練習を始めた当初は、NICOLAは期待通りの快適さを提供してくれた。特にホームポジションの段で打てる文字が多いのが気持ちよかった。JISかなだと、ホーム段で打てる文字は、右手小指のへんぴなところにあるのも含めて12字しかない。しかもホーム段より上段の方が使用頻度が高かったりする。NICOLAだとホーム段10キーだけで29字も打て、使用頻度も高い。練習ソフトで練習中に「ホーム段だけでこんな単語も入力できるのか!」と何度も思った。[:](ホーム段右小指の一つ右)で[BackSpace]というのも気に入った。親指キー同時打ちは違和感があったが、慣れで克服できると思った。同手打ちよりクロス打ちの方が打ちやすいなー。

 しかし、練習ソフトでホーム段を離れる頃になると、最初に思った不安が現実の物になってしまった。
 右手親指キーに割り当てている[変換]の位置が右過ぎて、同手打ちに無理があるキーがある。特に[Y]と[N]がつらすぎる。[H]もかなりつらい。そもそも、右手親指の置き方が不自然なので右手が痛くなる。自分のキーボードはキータッチがやや堅いので、余計にそう感じたのかも知れない(親指シフトには、キータッチが軽い物の方が良いそうだ)。
 この問題は、とても慣れで克服できるものとは思えなかった。専用キーボード導入も考えたが、値段が高いし、将来も入手できるかと考えると不安が残る。
 ちょうど他に試してみたい入力方式を見つけたこともあり、この時点であっさりとNICOLAを諦めてしまったのだった。

*1 その後、問題がないわけではないことが判明する……。日本語入力変遷記6参照。


by koutarou_13 | 2005-06-13 22:40 | ●kouyの日本語入力変遷記

▼日本語入力方法はローマ字入力とかな入力だけではない▼ローマ字入力とかな入力以外も普通のPCで簡単に使える▼というわけで新下駄配列で快適PCライフをめざすkouyのブログ


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