新下駄配列の難易度はどれくらい?
清濁分置なので、新下駄配列は覚えるのが難しいのではないか……というのは、新下駄配列に興味がある方には気になるところだと思います。
わたしの考えをいうと、濁音別置であることで、そうでない配列よりは難しいと思います。ただ、それほど大きな差ではないと思います。
新しい配列で入力できるようになるために必要な要素は、主に二つに分けることができると思います。一つは、配列図自体を覚えること、もう一つは、ある文字を入力したいと思ったときに、そのキーに指がすぐに行くようになることです。
自分の経験からは、以下のことが言えます。
配列図自体の覚えやすさは、配列の単純さに大きく影響されます。
五十音配列や単純な行段系配列なら、1回配列図を見ただけで覚えてしまえるような単純なものもあります。
五十音順を離れてしまうと、配列は一気に複雑になります。それでも、清音と濁音を同じキーに置いたり、拗音を規則性を持たせたりすることは、複雑さの軽減に一定の効果があります。
1動作=1文字に止まらず、入力できる文字種を増やしたり、よく使うフレーズを別に配置したりすると、複雑さはさらに上がります。
そのキーに指がすぐに行くようになるかどうかは、配列の単純さとは関係ありません。どんな配列でも指がすぐにそこに行くようになるには、一定の練習が必要です。
1回配列図を見ただけ覚えられるような単純な配列でも、あるいは配列図を完璧に暗記してから使い始めても、最初からすらすらと入力できるということはありません。
実際にわたしが配列を習得した期間をみると、『タイプウェル国語K』で総合成績SJ(Professional)になるまで、清濁別置の飛鳥配列は2か月、清濁別置だが規則性はある程度ある星配列は1.5か月、行段がほぼ規則的に並んだけいならべでは1か月かかりました。
というわけで新下駄配列の難易度ですが、濁音別置であることで、そうでない配列より配列図を覚えるのは難しくなります。とはいえ、濁音同置の配列と比べて著しく難しいということはないと思います。
濁音は、出現率が低いといっても、本当になかなか出てこないと言えるのは「ぢ」と「づ」くらいです。他の濁音はある程度入力していれば出現します。普通に使っていれば習得できます。
拗音は、かなり出現率が低いものも多数あります。しかし拗音の配置には規則性があります。拗音を別置することで、逆に拗音文字(“ゃゅょ”などのこと)を覚えなくて済むというメリットもあります。
そして、どちらにせよそのキーにすぐに指が行くようになるという要素はどんな配列でも共通して必要なので、配列図が少し覚えにくいくらいでは難易度に大きな差はない、というのがわたしの考えです。