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左右使用率は気にしない

新下駄配列作成記10

■新下駄配列の方針
 左右使用率は気にしない

 新下駄配列では左右の手の使用率は考慮しません。個々の指の使用率やキーの使用率、キーの連接などが適切であればよく、左右の使用率を理由として文字の配置を決めることはありません。
 理由は以下の3つです。

1.手首を左右に動かすのは自然な動き

 キーボード形状からみて、左手より右手の方が押しやすいという意見があります。つまり、「一般的なキーボードのキーの配置場所は、ホーム段から見て、上段はやや左、下段はやや右にずれている。したがって、右手は指を曲げ伸ばすだけでキーを押すことができるのに対して、左手は手首を左右に曲げなければキーを押せない」という意見です。

 しかし、手首を少し左右に動かすという動作は、手の自然な動きの一つです。負担になるというのは、限界近くまで左右に動かす場合の話です。上段や下段のキーを押すために手首を左右に少し動かすのは、特に負担になる動作ではありません。

 そして、手首を左右に動かす分、指の曲げ伸ばしの量が少なくて済みます。例えば、[E]を押す場合と[I]を押す場合の中指を伸ばす動きを比較してみると、[E]を押す場合の方が中指を伸ばす動きが小さくなります
 つまり、左手ではキーを押すために必要な動作を、「指を曲げ伸ばす」と「手首を左右に動かす」という2つの動作に分散できます。その結果、左手でキーを押す場合は一つ一つの動作を小さくすることができます。
 むしろ右手でキーを押す動作の方が、手首を左右に動かすという自然な動きを使えず、指を曲げ伸ばすという動作だけに頼らなければならないので、より手に負担が掛かっていると思います。

2.利き手でなくてもできること

 右利きの場合は、利き手である右手の方が使いやすいという意見があります。利き手の方が使いやすいというのは、一見当然のように思えます。しかし、それはどんな場合にでも適用できるのでしょうか?

 日常生活で、右利きの場合、右手を多く使ったり、右手でないと難しい動作はたくさんあります。

・ペンで字を書くのは右手。
・箸を持つのは右手
・ドライバーでねじを回すのは右手。

 しかし、右手でなくてもできることも、たくさんあります。

・コップを持つ手はどちらでもいい。左手の近くにコップがあれば左手で持つこともある。
・電話の受話器を持つ手は人による。必ず左手で持つ人もいる。右手でメモを取るなどをする場合もあるが、右手で何もしていないときでも左手で持つ人もいる。
・縦書きの文庫本を片手で持つ場合は左手で持つ。右手で持つとページをめくりにくい。
・コンピュータゲームのコントローラの十字キーは左側。ボタンより十字キーの方が操作が複雑なので、本当は十字キーが右側にあった方が良いと言われることもある。しかし、伝統的に十字キーは左側にあり、多くの人がそれでゲームを楽しんでいる。
・野球でグローブでボールを取る手は左手。ボールを取る動作も右手の方がしやすいはずだが、右手には「ボールを投げる」という動作が割り当てられていて、グローブをはめてしまうと投げる動作ができなくなってしまうので、グローブは左手にはめて、ボールは左手で取る。
・マウスを使う手は普通は右手。しかし、右手にはカーソルキーやテンキーなどほかに担当することが多いので、マウスは左手で使うという人もいる。

 手を使う動作には、利き手の器用さや力強さがが必要な動作と、そうでない動作があります。利き手が必要な動作は利き手を使う必要があります。しかし、利き手が必要でない動作では利き手にこだわる必要はありません。利き手の方がやりやすいとしても、別の事情によって利き手を使わない方がよいこともあります。

 キーボードのキーを押すという動作は、指をキーの上に移動させて押すだけです。字を書く、箸を使う、マウスを操作するなどの動作に比べれば器用さも力強さも必要ありません。
 キーボード入力は、利き手でなくても十分できる動作だと思います。

3.配列がどうあれ右手は使う

 それでも、右利きの場合は少しは右手の方が使いやすいはずだから、ある程度は右手を多く使った方が良いのではないか、という意見もあるかも知れません。

 しかし、PCの操作は、当然ながら文字入力だけではありません。文字入力以外では右手はどうしても使います。マウスは右手で使う人が多いでしょうし、テンキーやカーソルキーが右側にあります。非常によく使う[BackSpace]や[Enter]も一般的には右側にあります。
 しかも、これらは文字キーよりもずっと遠い場所にあります。これらを操作するには、文字キーを押す場合と違って手全体を移動させなければいけませんから、文字キーの入力の何倍もの労力を使います。
 さらに範囲を広げて考えると、PC操作以外には右手でなければできないことがたくさんあります。字を書く、箸を使う、これらはほぼ右手を使います。右手が疲れたからといって左手ですることは困難です。

 文字入力配列で配慮をしなくても、すでに右手は十分活用できていると思います。



 以上の理由により、新下駄配列では左右の手の使用率は考慮しません。指の使いやすさに応じた出現率の文字を割り当て、アルペジオや左右交互打鍵を活用し、同指異鍵や同指段越などの悪運指が少なくなるように設計をします。そうすれば左右の手の使用率は50%に近い数字になります。特に左右交互打鍵率を高くしようとすれば自然に50%に近づくはずです。結果的に左手の使用率が50%を越えても気にしません。

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「左手の方が打ちやすい?」
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■新下駄配列作成記 目次
by koutarou_13 | 2011-02-12 00:11 | ●新下駄配列作成記

▼日本語入力方法はローマ字入力とかな入力だけではない▼ローマ字入力とかな入力以外も普通のPCで簡単に使える▼というわけで新下駄配列で快適PCライフをめざすkouyのブログ


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