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ローマ字入力でもなく、かな入力でもなく

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中指シフトという入力方式

日本語入力変遷記3
2004年夏~秋:中指シフトという入力方式
――「月配列」と『菱』

 そもそも、いままで私が知っていた日本語入力方式というのは、かな入力(「JISかな」)とローマ字入力(「QWERTYローマ字」)と、かろうじて親指シフト(「NICOLA」)を知っていたくらいで、他の入力方式なんて、あるということ自体想像もしなかった。
 しかし少し調べてみると、他にも数え切れないほどの入力方式があることが分かった。JISかなの前身のくせにJISかなより良さそうな「カナタイプ」、使用実態が無いため廃止されたという「新JIS」、専用キーボードを使う「TRON」、簡単に修得できて実用性も高そうな五十音配列「ナラコード」、NICOLAに大胆な改良を加えた「飛鳥」、左手ホーム段に母音が固まっている英語用配列「Dvorak」、拡張ローマ字入力「AZIK」、さらには漢字直接入力「TUT-Code」「超絶技巧」「風」、などなどなどなど。
 中でも興味を持ったのが、中指シフトという入力方式を採用した「月配列」だった。

 中指シフトという方式は「花配列」で初めて採用された方式である。かなを1字1打鍵で打とうとしたら、どうしたってシフトは使わざるを得ない。今まではシフトを小指だったり親指だったりに割り当てていたわけだが、シフトは最も良く使うキーなのだから、最も良い位置、すなわちホーム段中指に割り当てるのが良い、という発想だ。

 この方式が魅力的なのは、その発想自体もさることながら、どんなキーボードでも導入できるというのが大きい。シフトも通常の文字キーの領域にあるのだから、親指シフトのように「親指キーの位置が悪い」という事はないわけだ。シフトはすべてクロスシフトというのも、クロスシフトが打ちやすいと感じていた私は気に入った。

 中指シフトの中では、新JIS配列を取り入れた「月配列」が良さそうだと思った。月配列を使ってみる事にする。実装も『菱』というソフトを使うことで簡単にできた。

 月配列はかなり優秀な配列だと思う。実際かなりの期間月配列を使い、一時は「もう月で一生行こう」と思ったものだ。
 しかし、一つだけどうしても気に入らないことがあった。濁点、半濁点が後入力なことである。シフト側のかなの濁音を打つときは、シフトを含めて3打鍵かかってしまう事になる。左右交互打鍵になるのでリズムは悪くないが、もともと2打鍵を嫌ってローマ字入力を避けていたのに、3打鍵かかる文字があるとは。特に「ぴ」が打ちにくいのが大きく引っかかった(*1)。

 こうなると、濁音もすべて1打鍵で打てる(同時打ちだが)親指シフトはやっぱり魅力的に思えてくる。前はあっさり諦めてしまったけれど、もう一度挑戦してみようか。
 というわけで、再びNICOLAに戻るのだった。

 月配列を使っていて自信がついたことがある。
 配列は、慣れることができる。新しい配列を覚えるのなんて随分時間がかかるだろうと思っていたのだが、一週間もしたら入力にストレスは感じなくなった。新しい配列を導入するのに不慣れを理由にためらう必要はない(*2)。
 この経験は、この後の配列の変更に繋がることになる。

*1 なぜ「ぴ」を多く使うのか。理由1、当時、HTMLで段落をあらわすタグ<p>を「ぴ」で辞書登録していた。理由2、野球について書くと「ピッチャー」など「ぴ」を使う単語が数多くある。
 一般的には、3打鍵かかる文字というのは、文字の使用頻度から見てバランスの取れていると思う。


*2 私が思うに、入力を覚えるには、配列を覚えるの事もさることながら、それ以上にキーボードに対する感覚(どの指をどのくらい動かせばどのキーが押せるのか、どのくらいの強さで押せば良いのか)を身に付けるのが重要なのではないだろうか。配列が変わっても、キーボードに対する感覚はそのまま使える。
 わざわざ手間暇かけて新しい配列を覚える気にならない、と思う人も多いかも知れないが、新しい配列を覚えるのはそれほどのことではない。少なくとも、はじめてキーボードに触れたときに配列を覚えたのよりははるかに簡単である。


by koutarou_13 | 2005-06-15 01:43 | ●kouyの日本語入力変遷記

▼日本語入力方法はローマ字入力とかな入力だけではない▼ローマ字入力とかな入力以外も普通のPCで簡単に使える▼というわけで新下駄配列で快適PCライフをめざすkouyのブログ


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