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ローマ字入力でもなく、かな入力でもなく

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月配列は進化する

日本語入力変遷記6
2005春~:月配列は進化する
――月配列U8版

 こうしてキーマップも大体決まり、日本語入力はもうNICOLAで決まりだな、と思っていたのだが、新しいキーマップに慣れるに従って、かえって新しい問題が発生してしまった。
 [変換]を[Enter]にしたことにより、[右親指]と[Enter]が同じキーになってしまう。これがかなりまずいのだ。
 前に[変換]を[Enter]にして右親指キーと兼用しても問題ないと書いたが、やっぱりミス打ちしたときのダメージが大きすぎる。慣れれば減ると思ったのだがゼロにするのは難しいようだ。
 もうひとつ。『とりあえず月とかのブログ』2005-03-11によると、[スペース](変換)と左親指キーとの兼用でさえ打鍵スピードが上がってくると問題があるらしい。まあ自分がそこまで早く打つことはないだろうと思いつつも、技術が上がったら上がったで新たな問題が生じるというのは、愉快な話ではない。

 普通はここで[変換]を[Enter]にするのを諦めるのだが、私はこの時点で[変換]を[Enter]にする設定に惚れ込んでしまっていたのだった。それこそNICOLA以上に(*1)。
 親指周辺のキーを自由に使いたいとすれば、NICOLAをはじめとする親指シフト配列は諦めるしかない。変わる配列として再び浮上してくるのが、そう、中指シフトの月配列である。

 実は、月配列には一通りの定まった配列はない。前に私が使っていたのは2-263式というもので、これはシンプルでバランスの取れた、一つの決定版とも言える完成度の高い配列ではあるが、それでもすべての面で満足と言うわけではなく、その後も多くの人々が新しい配列案を生み出している。
 その中の一つに月配列U8版というものがある。

 この配列の特徴の一つに、4シフトを採用していることがある。つまり、中指だけでなく、薬指もシフトキーにしてしまい、薬指を濁音専用のシフトにしてしまうという方式である。これで「3打鍵かかる文字がある」という2-263式の難点を完全に解消することができる

 それと、今まで誤解していたことがあった。NICOLAでは濁点が付くかなは必ず単打側にあったので、濁点シフトを使う場合は濁点が付く文字は必ず単打側に配置しなければならないと思い込んでいた。NICOLAではそのせいで使用頻度の高い濁点が付かないかながシフト側に回され、シフト率がかなり高くなるという問題(?)が生じていた。
 しかし、良く考えてみれば、必ずしも濁点が付くかなを単打側に配置する必要はない。単打側とシフト側の両方が濁点が付くかなだと問題だが、片方なら濁点が付く方のかなに濁点を付けるようにすれば済むこと。これを活用すれば、濁点シフトを使う場合でもシフトを押す回数をかなり減らすことができる。
 で、U8版でもこの方式が採用されている。

 濁音もすべて2打鍵以内で出せるというのはかなり魅力的で、これなら結構手になじんでいた親指シフトからでも移行する価値があると思った。
 ただ、U8版にもまったく不満が無いわけではない(半分以上は私の都合だが)。
  1. 小指の外側を使っている。他の配列に比べれば使っていない方だが、使っていることには変わり無い。小指を多用するのが嫌でJISかなをやめたのだから、できるだけ使わないようにしたい。

  2. 記号が少ない。「「」「」」「!」「?」は私は多用するので、もっといい位置に割り当てたい。「;」、「:」、「~」あたりも手軽に入力できるようにしておきたい。

  3. [:]はBackSpaseに置き換えるのがもはや定着してしまったので。ここに文字は置けない。

  4. 右手担当キーを一列右にずらす手は、親指シフトでは無い以上もうやめても良いのだが、なんかもうずらした方が合理的な気がしてきた。なんで右手小指と[Enter]の間が二列も空いてるんだ? 中央列を機能キーに使えるのも魅力的なので、この手は継続して使うことにする。こうなるとますます小指の外側は使えなくなる。

 対応策だが、月配列U8版では、かなで小指の外側を使っているのは「ち」と「ぢ」の2つだけなので([Q],[P]は仕方が無い)、これは何とか置き換える。
 あとは記号。これに同手シフトを使うことにする。同手シフトは異手シフトに比べると押しにくく、使わずに済むならその方が良いのだが、押しやすいところにいくつか記号を割り当てるくらいなら、大して悪くはならないだろう。

 まずかなの配置。
 「ち」「ぢ」は、[P]の「ー」をもう少しいい位置に置きたいと思っていてちょうど[P]の★シフトも空いているので、「ー」を[P]から追い出し「ち」「ぢ」を[P]に置く
 追い出された「ー」は[X]に移動し、「を」を☆シフト側に落とす(「を」は2-263式では☆シフト側だったし)。
 「を」の場所は記号が抜けたことにより空いている右下だが、「ろ」よりは「を」の方が使いそうな気がするので、「を」を[.]に置き「ろ」を一つ外側にずらす([/])。これでかなの配置は完了。

 記号の配置に移る。
 句読点の入力にスペースを使っているのは、やってみるとかなりいい感じだった。そこで[変換]([Enter])も使用し、☆シフトと★シフトで違う文字を打てるようにして、「?」「!」も[スペース]と[変換]で打てるようにする*2)。
 あとは同手シフトに記号を割り振っていくだけ。残った記号の中では「「」「」」が一番使うのでこれに一番押しやすいキーを割り当てる。あとはわりとてきとう。

 完成した配列は以下のとおり。

単打
りこしてょ つんいかちEs■
は★☆とた くう☆★きBS■
 すーになさ っるのもへ■

☆シフト
ぁゃねらめ ぬむみえぇ゛■
ぃよけあれ まおほそぉBS■
 ぅやせゅゆ ひわふをろ■
     。 、

★シフト
■ごじで■ づぴぽがぢ゜■
ばぱげどだ ぐヴぼぞきBS■
 ず■ぜ■ざ びぷぶぺべ■
     ? !

同手シフト
■■■■■ ■■■■■■■
■■(「~ ・」)■■■■
 ■■■;@ :¥■■■■

  1. 同手シフトは、「(」「)」だけは★→☆で打ち、他は☆→対象キーで打つ。

  2. [:]の[BackSpace]は、『KeySwap for XP』で入れ替えている。直接入力時にも[BackSpace]として機能させるため。

  3. [@]の[Esc]は逆に『菱』で設定している。[Esc]を配置したのは主に漢字変換時の「全戻し」のためであり、したがって直接入力時は使わない。直接入力時はむしろ「@」が打ちたい。「全戻し」以外で[Esc]を使いたいときは、素直に左上の[Esc]を押すことにする。

  4. [Q],[P]も使わないようにしたかったのだが、この時点では入れる場所が見つからなかった。

  5. 「,」「.」「/」なども入力できるようにしたかったのだが、なぜか『菱』では違う文字が打たれてしまった(『MS-IME』のせいかも知れない)。
     ●打てない文字  ●打たれてしまう文字
     ,(カンマ)   、(読点)
     .(ピリオド)  。(句点)
     /(スラッシュ) ・(中黒)
     [](大かっこ) 「」(かぎかっこ)
     -(マイナス)  ー(長音記号)

 この配列はかなり満足のいく出来だった。
 しかし、これで終わりではない。

*1 [変換]を[Enter]にするのは、変換操作が快適になる(左親指で変換、右親指で確定)のはもちろんだが、改行が右手親指でできるというのが大きいと思った。文章作成中、特に編集中は改行は非常に良く使う。
 右手の担当キーを右に一つずらしているので普通の[Enter]にも小指が届くのだが、それでも親指Enterの魅力にはかなわない。


*2 かなりあとで気が付くのだのか、これはさすがに親指を使いすぎのようだ。このあと中指同時打鍵に移行するにあたり、親指への文字配置は廃止してしまうことになる。
 Ux版でも、
U8版マイナーチェンジ版ではスペースを使わないでも句読点を入力できるようになり、U9版RCでは完全に廃止されてしまった。* U9版RCでもシフト+スペースで句読点を打てるというのは残してあるそうです(2005/06/23追記)。
『とりあえず月配列とかのブログ』2005-06-21月に関していくつか


配列図
●『菱』用設定ファイル(tsuki_U8'.hh):tsuki_U8'.zip
by koutarou_13 | 2005-06-19 16:59 | ●kouyの日本語入力変遷記

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