けいならべの特徴はどうだったか?
※関連する過去の記事
「けいならべって何だ?」
「けいならべの特徴」
けいならべを1ヶ月ほどやっていて、けいならべの特徴的な部分がどれくらい機能していたのか、思ったことを書きます。
●母音の組み替え
※和ならべの母音周辺の主な配置
やっいえ□□
_ゆあうお□
_よんー□□
※けいならべの母音周辺の主な配置
□ようお□□
_ゆあいえん
_やっ□□ー
頻出する連母音の打ちやすさは、「えい」と「おう」はほとんど同じだし、「あい」はけいならべの母音の方が打ちやすいと思うので、連母音の打ちやすさは勝っていたと思います。
また、「ょう」が打ちやすいのもかなりのメリットだと思います。
けいならべ式母音の欠点は「お」の位置です。
母音に使っている[J][K][L][I][O]の5キーのうち、一番打ちにくいキーは[O]だと思います。和ならべでは[O]に5つの母音の中では一番出現率が低い(※)「え」が割り当てられています。しかし、けいならべでは比較的出現率の高い「お」が割り当てられることになってしまいます。
母音の単打での打ちやすさは、和ならべ式母音の方に軍配が上がるでしょう。
連母音の打ちやすさ、単打の打ちやすさ、どちらがより重要か? いい勝負だと思います。
私としては、けいならべ「あい」が打ちやすくなったことと「お」が[O]に来てしまったことが互角くらい。けいならべ式母音は他に「ょう」が打ちやすいというメリットがあるので、母音の組み替えは良い面の方が大きかったと思います。
※参照した資料
『DvorakJP』「文字頻度表」
『Wisteria』「かな出現頻度調査」
●ホーム小指の「ん」
「ん」は母音で使わない指ということで、右手小指の[;]に配置しましたが、これは多少不安がある配置ではありました。
というのは、「ん」というのは一つのかなとしての出現率はトップクラスであり、かな系配列を作る際は、そのような頻出かなを弱い指である小指に置くというのは、少しためらう配置だからです(と言っても小指の上下段に頻度の低いかなを置くことにより同指異鍵を回避できるという面もあるので、一概に悪い配置というわけではありません)。
また、「ん」を小指にすると人差し指→小指のような「内側から外側」の打鍵が多くなります。これは比較的打ちにくい打鍵です。
しかし、実際にやってみると、この心配はまったく杞憂でした。小指が「ん」だからといって特に疲れるということはありません。小指と言えどもホームポジションなので十分打ちやすいキーでした。「内側から外側」の打鍵も、実際に入力する時にはそれほど気になりません。他の母音で使わない指で入力できるというメリットの方がはっきり上です。
5つの母音と比べれば「ん」は出現率が低いので、5つの母音と比べれば打ちにくいところ。
それでも使用率は高いのである程度打ちやすいところ。
他の母音で使わない指であること。
ホーム小指の「ん」というのはこれらの条件を満たしてて和ならべ式母音ととても相性が良く、優れた配置だった思います。
●子音の並び
※けいならべの左手側
ぱはなまば
_らたさか、
_わだざが。
頻度が高いか行、さ行、た行を[S][D][F]、頻度が少ないぱ行、ば行、わ行を[Q][T][Z]にしたのは良かったと思いますが、他はよく分かりません。行段系の子音側は連続することがないので、覚えやすさ重視でいいと思います。
学習段階では、濁音を意識して打鍵するとミスが減ってうまく入力できた印象がありました。
●句読点を左手側
けいならべでは、句読点は直前に必ず母音を打鍵しているはずなので、交互打鍵で打てるように母音とは反対側の左手側に配置していました。
しかし、交互打鍵であることで特に快適だと感じるほどではありませんでした(母音で多用する右手中指と薬指に配置するよりは良かったと思いますが)。流れの中で打てるようには交互打鍵よりアルペジオで打てるようにした方がいいのかもしれません。
それと、一つ気がついたのが、読点(「、」)が交互打鍵で打てる良さよりも、句点(「。」)が交互打鍵で打てる良さの方が大きいと感じたこと。
句点の場合、文末の使うということがはっきりしています。文章の文末を入力する場合、句点まで入力して文章の完成であり、文章を打ち始めたときから、句点を打つことまで考えて入力しています。
読点の場合、どこで使うかがはっきりしていません。したがって、文章を打ち始めた段階では読点を打つかどうか決められないことが度々あるのです。
適当なところまで入力して、変換して、変換ミスがないか確認して、その時に文章を読んだ感じで読点を打つかどうか決めるということが多い。このような読点の打ち方ですと、その前にどのキーを打鍵していたかなんてまったくどうでもいいことになります。ひととおり打ち終わった文章を読み返しているときに、この一文は長すぎたからここに読点を入れよう、と単独で読点を打つこともよくあります。
句点は流れで打てる配置、読点は単打で打ちやすい配置、にするのがいいのかもしれません。
あと、前に書き忘れたのですが、句読点を[G]と[B]に配置したのは、句点と読点が連なることはないのだから句読点は同じ指に配置した方が同指異鍵が自動的に減って良いのでは、という意図もありました。これは思い通りでした。
●カタカナ語拗音のの左手連打
けいならべ独特の左手側の連打でのカタカナ語拗音の入力は、私は自分で作ったのだから簡単に覚えられましたが、やはり分かりにくさは否めません。左手のアルペジオを活用しようという意図もあったのですが、この程度の活用では大して貢献してない。打ちやすさ自体は良いと思いますが……。
全体的に、和ならべの特徴であると思われる「連母音の打ちやすさ」「やゆよの母音化による拗音の打ちやすさ」「分かりやすさ」を損なうことなく、「ょう」をアルペジオで打てる、「ん」が右手小指、句読点は交互打鍵など、けいならべに取り入れた要素もそこそこ機能しました。
「さまざまな行段系の配列の長所を取り入れた、行段系のいいとこ取り配列」という試みは、ひとまず成功したと言って良いと思います。

