三点リーダーって使ってますか……?
……というように、語尾を省略したり余韻を残すために使う“…”のことを、「三点リーダー」と呼びます。ご覧のとおり、三点リーダーという一つの字体が存在します。
ところが、Web上では三点リーダーを使わずに、“・・・”という「中黒」を3つつなげて代用する表現を多く見ます。
私も三点リーダーの存在を知らずに、“・・・”を使っていた時期がありました。昔のテレビゲームでは“・・・”とする表現は多くありましたので(そもそも三点リーダーという記号が存在しなかった)、その影響だったのかもしれません。
その後“…”の存在に気がつき、印刷物では“…”を使うというルールも知ったので、“・・・”は使わなくなりました。
印刷物のルールをパソコン上の文章で適用するべきかという問題がありますが、どちらも同じ「文章」であるので、特別な事情がない限り、Web上の文章にも印刷物のルールは準用したいと思いました。
もちろん、自分のサイトに載せるのにどの記号を使うかは書き手の自由ですが、私としてはやっぱり三点リーダーを使ってほしいと思います。
“・・・”という表現を見ると、『MSーIME』*1や「第ニ回」*2という記述と同じような違和感を感じて、その部分ばかり気になってしまいます。見た目も“……”の方が整って見えます。
ここで、見た目も“・・・”の方がきれいに見えるという方もいるかも知れません。そう思うのは個々人の感覚なので構わないのですが、一つ気になるのが“・・・”の方がきれいに見えるという理由の一つに、プロポーショナルフォントと等幅フォントの違いがあるのではないか、ということです。
※プロポーショナルフォントと等幅フォントについては下記リンク先を参照してください。
『Wikipedia』「プロポーショナルフォント」
『Internet Explorer』の初期設定のフォントは「MS Pゴシック」、すなわちプロポーショナルフォントに設定されています。Web上の文章はプロポーショナルフォントで見ている人が多いと思います。
しかし、私は日本語の文章は等幅フォントの方が読みやすい、プロポーショナルフォントだと字間が窮屈で読みづらい、と思っているので、『I.E.』(他のブラウザも)のフォントを「MS ゴシック」に設定しています。
プロポーショナルフォントだと文字の間隔が詰めて表示されるので、“・・・”としても点の間隔はそれほど空きません。
一方、等幅フォントだと“・”1つで1文字分の幅を取るので、“・・・”とすると点の間隔がかなり空いてしまいます。
等幅フォントとプロポーショナルフォントで三点リーダーや“・・・”の見え方を比較した画像を作ってみました。
下記の画像を見ると、プロポーショナルフォントでの“・・・”はまだいいけれど、等幅フォントの“・・・”は字幅が空きすぎて美しくない……と思うのですが、いかがでしょうか?
ちなみに三点リーダーを入力する方法は、“・・・”と入力して変換するのが、簡単かつ汎用性がある方法でしょう。
※ネット上の三点リーダーに関する記事
『絵文録ことのは.』「句読点の使い方」
『ぶろしき』「三点リーダの表現するものは・・・」
『heartbreaking.』「「○○の人」ってナンだよ/三点リーダー」
『しまうま技研』「三点リーダについて」
『FaintDiary』「文章作法 三点リーダー」
『BLOG STATION』「三点リーダに関する考察」
『マンスリー広告批評』「私的「三点リーダ」論。」
*1 『MSーIME』 横棒がハイフンではなく長音符になっています。正しくは『MS‐IME』。
*2 「第ニ回」。2が漢数字ではなくカタカナになっています。正しくは「第二回」。