句読点の特色
【これまで決まった配置】
〔単打〕
□□□B□ □□□□□□
□とかんB くういし□
□□□B□ AA□□□
※Aたて
※Bるっ
句読点は、それ自身、「、」は9位、「。」は17位という出現率の高い文字の一つです。しかし、容易に想像できるように、句読点には単に出現率が高いという以上に、他の文字にはない特徴があります。句読点の特徴を生かした配置にすることは、配列を作る上で一つの重要なポイントになります。、
句読点は、必ず文末・文節末で出現します。文末・文節末では、他の部分に比べて、次の文字を急いで入力する必要が少なくなります。したがって、文末・文節末の次に押すキーの押しやすさはあまり問題になりません(前に押すキーの押しやすさは重要です)。句読点とその次の文字の連なりに悪いキーの連接を割り当てることができれば、その分他の連なりの連接が良くなります。
よって、句読点は次に押すキーが押しにくい場所に配置するのが理想です。
また句読点は、文頭・文節頭では出現しません。文を入力し始める前は、指はホームポジションの上に置かれているはずです。したがって、文頭・文節頭で一番押しやすいキーはホームポジションのキーです。逆に言えば、文頭・文節頭に出現しない文字はホームポジションに配置するメリットが薄いということになります。
よって、句読点はホームポジションから外れた場所に配置するのが理想です。
しかし、句読点の出現率は高いので、あまりにも押しにくいキーに配置してはいけません。「ある程度押しやすいが、そこから次のキーを押しに行くのは大変」。そんなキーが理想です。
さらに、句点と読点を個別に見てみると、連なりやすい文字はまったく異なります。「、」との連なりが多い文字は「は」(3661)、「が」(2486)。「。」と連なりが多い文字は「す」(4239)、「た」(4040)、「る」(3469)、「い」(2195)です。両者に共通する文字はありません。また、句読点同士が連なることはありません。
よって、句読点同士の連接は押しにくくても構いませんし、並べて配置する必要もありません。句読点は同指に配置するか、そうでなければまったくバラバラに配置するのが理想です。
句読点を配置する場所の条件をまとめると、次のようになります。
1.次のキーを押すのが楽ではないキー
2.ホームポジションから外れたキー
3.ある程度押しやすいキー
4.句読点同士の配置が同指、または関連性がないキー
これらを踏まえて、句読点の配置場所を探していきます。
まず、句読点を単打側とシフト側のどちらに配置するか。
シフト側で3の条件を守ろうとすると、シフト側の中でもかなり好所に配置しなければなりません。それはすなわち、シフト側のホームポジションということになります。しかし、ホームポジションに配置してしまうと2の条件に反します。
よって、句読点はシフト側に配置するのは向かないということになります。句読点は単打側に配置します。
次に、句読点を置くのに向いているキーを探します。
人差し指上段は、やや短い人差し指を伸ばさないと押せませんから、どうしても手全体が動き、次に押しにくくなるキーが多くなります。しかし、人差し指は動かしやすい指なので、ある程度押しやすいキーです。したがって、人差し指上段の[R][T][U]は句読点を置くのに向いています。ただし、[Y]はさすがに遠すぎます。
[B]もホームポジションから遠いキーですので、押すときに手が動きます。これも句読点を置くのに向いています。
小指上段も短い指を伸ばして押すという点では人差し指と同じですが、句読点を置くには押しにくすぎます。
右手下段は、指を大きく曲げないと押せません。特に中指と薬指は他の指の動きにも影響を与えます。しかし、中指と薬指という指自体はそこそこ動かしやすい指ですので、ある程度押しやすいキーです。したがって、右手の中指と薬指の下段の[,][.]は句読点を置くのに向いています。
左手下段は、右手下段と比べると、指を曲げる動作と手首を動かす動作を組み合わせることができるので、一つ一つの動作が小さくて済ます。右手と比べると、句読点を置くのに向いているとはいえません。
人差し指は、中指・薬指より短いので曲げる動作が少なくて済む上、素早く動かせます。 右手小指下段は、句読点を置くには押しにくすぎます。
図にしてみます。
★が句読点配置候補キー。×は句読点を置くには悪すぎる(3の条件から外れる)場所です。
×□□★★ ×★□□××
□とかん□ くういし□
□□□□★ □□★★×
この中から句読点を配置するキーを選びます。
まず、「、」を置く場所を考えます。
「、」は出現率が高い割には、多く連なる文字は「は」(3661)、「が」(2486)の2文字に偏っています。その2文字との連接にさえ気をつければ良いので、比較的自由に配置できる文字です。
連なりが少ない方の数字を見ると、「ん」と比較的少なく(885)、「る」ともかなり少なく(222)、「っ」とはほぼ連なりません(37)。これらの3文字はいずれも左手人差し指に配置されている文字です。
よって、「、」は左手人差し指の[R]が理想的な配置場所となります。また、[R]は句読点配置候補キーの中ではもっとも押しやすいキーです。「、」は出現率9位という出現率が高い文字の一つですので、この点でも[R]に配置するのに適しています。
「。」と連なりが多い文字は「す」(4239)、「た」(4040)、「る」(3469)、「い」(2195)があります。「す」はまだ配置していませんが、ほかの文字はすでに配置場所を考慮している文字です。よって、それらのキーとの連接を考える必要があります。
まず、「。」と「、」はまず連ならないので、「、」と同指の左手人差し指に配置できるかどうか考えます。
しかし、左手人差し指は、「ん」「る」を配置することになっています。「ん」だけならまだしもなのですが、「る」と「。」を同指に置くのは相性が悪すぎます。
よって、「。」を「、」と同指に置くのはあきらめます。
右手人差し指は、「。」との連なりが多い「う」「た」を配置するので、ここには置けません。
右手中指は、「い」が「。」との連なりがある程度多いので、ここもダメ。
すると、「。」を置ける場所は[.]しか残りません。よって「。」は[.]に決定します。
「。」の配置が決まったことで、まだ決定していなかった「た」と「て」の配置([N]か[M])を決めることができます。
「。」は「た」と非常に多く連なります(4040)。「。」が[.]に決まったので、「た。」が入力しやすくなるように「た」を配置します。
[N]→[.]と[M]→[.]に押しやすさを比較すると、明らかに[M]→[.]の方が上です。
よって、「た」は[M]に配置します。同時に[て]の配置も[N]に決まります。
【これまでに決まった配置】
〔単打〕
□□□、□ □□□□□□
□とかんB くういし□
□□□B□ てた□。□
※Bるっ
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