タイピングゲームが面白いと思うのですが、言うまでもなく自分は新下駄配列を使っているので、タイピングゲームも新下駄配列でプレイしたいと思うわけですよ。つーか、新下駄配列でプレイできないタイピングゲームなんて論外。
しかし、新下駄配列に自前で対応しているタイピングゲームというものは皆無なので、タイピングゲーム外の手段で対応する必要があります。
自分が愛用している配列エミュレータ
『姫踊子草』には「かなタイプ対応機能」という機能があります。この機能を使うと、ローマ字入力やかな入力にしか対応していないタイピングゲームでもさまざまな配列でプレイすることができるようになります。ただ残念なことに、この機能はゲームによってはまったく使えない場合があります。例えば
『タイプウェル国語K』はプレイすることができますが、
『e-typing』はプレイすることができません。
しかし、『姫踊子草』ではプレイできないタイピングゲームでも、
『のどか』を使うとかなり多くのゲームでプレイすることができます。ただし、『のどか』は『姫踊子草』と違って「かなタイプ対応機能」のような機能はないので、タイピングゲーム用の設定ファイルを別に用意する必要があります。
『のどか』を使って新下駄配列でタイピングゲームを遊ぶためのファイルは、以前
「のどかで新下駄配列を実装」を書いたときに作りましたが、その時はかな入力対応用のファイルしか作らなかったし、特に説明もしなかったので改めて紹介します。
と言っても、やることは通常の新下駄配列の設定ファイルをちょっと変更するだけです。このファイルではIME関連のモディファイヤを
key IL-IJ-*IC- =
と設定しています。
この部分を丸ごと削除します。
つまり、普通に新下駄配列を使う場合は「IMEがON(日本語入力もON)の場合のみ」新下駄配列になるように設定しています。しかし、タイピングゲームはIMEがOFFの状態でプレイします。したがって、IMEがOFFの状態でも新下駄配列になるようしてしまえば、タイピングゲーム上でも新下駄配列になるというわけです。
このファイルを読み込むと、新下駄配列以外のキーボード入力はまともにできなくなります。新下駄配列のエミュレーション――例えば、[D]を押したら「か」の入力だから、[D]ではなく[K][A]を押したことにする――を常にするわけですから。このファイルが有効になっている間は、基本的にキーボードの入力はタイピングゲームのみとし、他の操作はマウスを使うのが無難です。ただし、[Ctrl]や[Shift]などモディファイヤを伴うキー操作は正常にできます。(だからタイピングゲーム上でアルファベットの入力もできます)
なお、このファイルを使ってタイピングゲームをプレイする際は、『姫踊子草』などの配列エミュレータは終了させておくか、一時停止にしておいた方が良いようです。有効だとそもそもキー入力を受け付けないこともありますし、受け付けても何かと怪しい挙動をすることがあります。
さて、続いて設定の切り替え方法です。いちいち「タスクトレイ(通知領域)のアイコンを右クリック→選択」などするのは面倒なので、
&LoadSettingを使ってワンタッチで切り替える設定を作っておきます。
自分の場合「[スペース]+ファンクションキーはのどか自身に関連する操作」と決めているので、[スペース]+[F6]で通常モード、[スペース]+[F7]でかなタイピングモード、[スペース]+[F8]でローマ字タイピングモードにするようにしました。([スペース]にはM0を割り当てている。詳細は
「俺的キーカスタマイズまとめ:その4 親指モディファイヤ」)
ついでに
&IconColorでタスクトレイのアイコンの色を変えて、
&HelpMessageでメッセージを表示するようにしました。こうすれば切り替えたことが確認できるし、アイコンの色を見るだけで現在どのモードか分かるので便利。アイコンの色は、『e-typing』の練習モードの色に合わせて、かな入力モードを緑色に、ローマ字入力モードを橙色にしました。
具体的な記述は次の通り。
key M0-*F6 = &LoadSetting("kouy") &IconColor(0) &Sync &HelpMessage(nodoka, "通常モード")
key M0-*F7 = &LoadSetting("kouy_タイピングゲーム新下駄かな用") &IconColor(4) &Sync &HelpMessage(nodoka, "タイピングゲームかな入力")
key M0-*F8 = &LoadSetting("kouy_タイピングゲーム新下駄ローマ字用") &IconColor(3) &Sync &HelpMessage(nodoka, "タイピングゲームローマ字入力")
こうすると、モードを切り替えた時にこんな感じに表示されます。
『のどか』を使えば、キー入力の判定自体はほとんどのタイピングゲームで通るようになります。
ただし、かな入力に対応しているゲームはいいのですが、ローマ字入力でプレイするゲームの場合は、完全に遊べるかどうかはゲームのローマ字入力の対応次第となります。
例えば、「っ」は「ltu」の綴りを受け付けないゲームでは入力することができません。また、拗音を入力するときに拗音文字後付けの綴り(例えば「しゃ」を「silya」)を受け付けないゲームは、これも入力することができません。拗音・外来音は「しゃ」を「sya」などと入力するように設定ファイルを書き換えてしまえば対応可能ですが、「でゅ」や「つぁ」など新下駄配列で拗音文字後付けでしか入力できない拗音・外来音はお手上げです。
さらに、
『ザ・タイピング・オブ・ザ・デッド』(TOD)のかな入力モードは、なぜか「かな入力で[Shift]を使用する文字で、新下駄配列で単打で入力する文字」の入力がスムーズにできませんでした。何回か連打するとやっと通る感じ。「っ」がこれに当たるのでちょっと厳しい。残念。(他に該当する文字は「、」と「。」)「っ」の入力だけ新下駄配列を無視して[Shift]+[Z]で入力することにすればプレイできないことはないですが……。
【ダウンロード】
●『のどか』新下駄配列タイピングゲーム用設定ファイル(かな入力用):
Sin-Geta_t.nodoka
●『のどか』新下駄配列タイピングゲーム用設定ファイル(ローマ字入力用):
Sin-Geta_tr.nodoka
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